
もともと商店街に興味があり、好きが高じて、まちづくりを学ぶ「まちコーディネーター養成講座(通称:マチコ)」に参加したという3期生の石村さんと佐伯さん。
今回は、マチコ修了後のお二人の挑戦をお伺いするために、阪急電鉄三国駅の駅前ロータリーからすぐにある商店街「サンティフルみくに」にやって来ました。
サンティフルみくに商店街でお店を出されている石村さんから場所をお借りし、期間限定ショップを出店した佐伯さん。マチコ参加のきっかけや、商店街でお店をオープンした思い、マチコ3期生との繋がりについてなど、「その後」のお話を伺ってきました。

商店街が好き!その気持ちから勢いでマチコに応募
—— お二人がマチコに参加することになった経緯や動機を教えてください。
佐伯:もともと商店街が好きなんです。商店街で買い物をしていると、お店の人とお客さんの距離が近くて、顔を覚えてくれておまけしてもらったりお客さん同士も仲良くなるような喋りやすい雰囲気が好きだったんです。たまたま自分の好きを語り合うワークショップに参加をする機会があって、改めて「私って商店街が好きなんだ」と実感しました。そんな時、インスタでマチコの投稿を発見し「私のためにある講座だ!」と思い、締切りが迫っていたので慌てて応募しました。

石村:私はそもそも商店街にお店を出していたところから始まっています。「サンティフルみくに」は大きい商店街ではあるのですが、いまいち盛り上がりにかける所でして。新大阪から近いけれど、あえてここに来ようという商店街ではないので、もうちょっと盛り上げていきたいという思いがありました。インスタで商店街を調べていたら、マチコの講座を見つけて、私も締切り間際だったので勢いで応募しました。

—— それだけ商店街への思い入れがあったのですね。
石村:そうですね。やっぱり三国の場所自体に思い入れがあって、盛り上げたいなと思いました。私の地元は兵庫ですが、結婚して十三に住んでいたことがありました。十三にある商店街はすごく盛り上がっていて、楽しかった思い出がありました。
その後、出産を経て三国に引っ越しをしてきた時に、こちらの商店街は割と静かだなというイメージを持ちました。でも、年配の方々が「いらっしゃいませ」じゃなく「おはよう」「こんにちは」「今日の体調はどう?」といった、普通のご近所さんにある会話をされているのがとても良くて、商店街に店を出そうと思いました。

佐伯:私は、自宅近くにあった商店街をどうすれば盛り上げていけるのかと思い、インスタで地元の商店街を紹介するアカウントを作りお店の紹介をしていましたが、ネタが尽きてしまいそのままになっていますが・・・。その中で商店街のおかみさんと仲良くなる機会がありました。ご夫婦でお店をしていたけれど、主におかみさんがお店を切り盛りされていました。その後おかみさんが病気でお亡くなりになって、娘さんが手伝われたりもしていたのですが閉店されることになりました。それがとても残念に思ってしまって、商店街を盛り上げるためにどのような関わり方があるのか調べるようになりました。

—— マチコに参加されて、どうでしたか?
石村:実際の商店街には高齢の店主さんが多いので、みなさんちょっと諦めモードなのですよね。頑張っても無理だし、疲れちゃったし、今更なにができるかわからないし、という負のオーラが出ていて。でもマチコに行ったらみなさん滅茶苦茶やる気なんです。もう熱いくらい(笑)。そこに背中を押してもらえました。

石村:今のお店が商店街の旗振り役になれればと思っているんですが、現実は難しくて。でもマチコに参加すると、ポジティブで可能性がある話が多いんです。実際はそんなに上手くいかないのでは?と思うことでも、熱い思いを聞いていると「やれるかも!」と思えてくるので。その気持ちが今に繋がっているところがあります。
佐伯:石村さんにように実際に商店街に関わっている方が数名おられて、いろんなお話を聞くことができ大変勉強になりました。私は単にアイディアばかりを考えていました。事業計画書も建築も全くわかっていないとか、お金の計算もできないとか、自分にできないものがたくさんある事にまず気がつきました。
あと、一人では何もできないなって改めて思いました。お店を始めるにしても、同じ思いを持っている仲間たちが集まらないと、前に進んでいかないのだと改めて実感しました。
商店街を知るには、商店街に店を出すことが必要
—— 石村さんがお店を開くことになった経緯を教えてください。
石村:商店街ということもあり、高齢の方が暇を持て余しているんですよ(笑)。最初は子ども服を売っていましたが、孫の服を買いに来たと言うおばあさんが1時間くらいお喋りをして帰られたり。やっぱりみなさんお喋りをしたいじゃないですか。でも、おばあさんだけのスペースだとそれだけになりそうなので、それだったら子どもと高齢者が繋がるような何かをしたいと思いつきました。
そこで、すぐそばにあった小さな店舗を借りて「おばあちゃんの文房具屋さん」をオープンさせました。そこで折り紙や編み物も教えていたところ、子どもたちがたくさん参加をしてくれました。でも、小さな店舗では人数が多くて入りきらなくなったため、子ども服店の方へ文房具とおばあちゃんに移動してもらうことにしました。今では子ども服や文房具を売る横で、子どもたちに流行りのシールも売っています。

石村:次に、ママと子どもがちょっと休める空間が欲しくて、店舗の横にあった倉庫を改装してカフェにしました。カフェの定休日には「おばあちゃんの編み物教室」を開催していて、子ども達や大人の方も通ってくれています。
もともと「おばあちゃんの文房具屋さん」をおこなっていた小さな店舗は、今は空き店舗となっており、この店舗を人に貸して一緒に商店街を盛り上げてもらおうと思いました。
—— そのスペースを佐伯さんが借りたとお聞きしましたが?
石村:私がマチコのグループラインで店舗募集していますと出したら、佐伯さんから「すぐに見に行きます」と連絡がありました。
佐伯:マチコでは同じグループじゃなかったのですが、商店街で子どもとお年寄りが交流できる場が作れたらいいねと話をしていたので。
石村:1〜2日ほど出店されるのかと思っていたのですが「1ヶ月やります」と言われて、驚きました。
佐伯:格安だったので(笑)商店街のことを知るには商店街でお店を出さないと!それも1日とか1週間じゃ絶対にわからない!と思っていた時に、連絡があったので即決です。ただ、何をするのかは決めていませんでした。

—— マチコの応募もそうでしたが、すごい決断力ですね!
石村:そうですよね。佐伯さんは商品を持っていたり自分で作ったりしていたわけでもないので、どうされるのだろうって思っていました。
佐伯:クリスマスの時期なので可愛いものなら何でも売れる!と思い、プレゼントに出来るような可愛いお菓子や文房具を仕入れました。さらに目玉商品が必要だと思い、クリスマスバージョンで帽子とマフラーを付けたクマのドリンクボトルに「お菓子詰め放題800円」で売り出しました。
ところが、なかなか売れませんでした。途中でわかったのですが、同じ容器にミルクティーを入れて売っている百貨店があると気づいて。そこからお菓子は入れずに容器を安くして売ったら、お客さまが気付いて買ってくれるようになりました。
あとは小学校が近く、学校帰りに小学生が商店街を通るので駄菓子を売っていました。

—— 仕入れなど、準備期間はどれくらいでしたか?
石村:そんなになかったよね?展開が早すぎて(笑)佐伯さんからは「ワークショップをやりたい」と聞いていたので、当日にいろんな物を売られていたので、あれ?っとなりました。
佐伯:そう、もともとはワークショップがやりたかったんです。イメージしていたのは、粘土をクッキーの型で抜いて『食べられないお菓子の家』を作るワークショップをやろうと思っていました。ところが何度も試作したのですが、うまくいかず断念しました。
そこで、三角に切った緑の台紙にお菓子を貼って、緑のネットを被せて星を付けたらクリスマスツリーになるワークショップを実施しました。告知の仕方や来ていただいたお客さまへの案内が不十分で、実際に体験してくれたのは1組のみでした。

佐伯:「ワークショップをやっているよ」と宣伝もしてもらったのですが、なかなか来てもらえなくて。口コミも全くできていなかったですね。本当はワークショップメインでやりたかったのですが、物販メインになってしまったのが、反省点ですね。
—— では、その後ワークショップはされなかったのですか?
佐伯:それが、出店していた期間中に、ちょうど「みくにマルシェ」という商店街が主催のイベントがあったので、「これはチャンスだ!」と思い、そこで再度ワークショップを行おうと思いました。マチコで知り合った土居さんと武田さんが、ボードゲームを使ったワークショップを行ったことがあると聞いて、直接お願いをしてみたら、来ていただけることになりました。

佐伯:お店の前にテーブルを出して「無料でやっています」と言ったら、子ども達が集まってくれました。その日は、売り上げが良かったんですよ(笑)。
石村:みんな「何をやっているの?」という感じで、覗いていたよね。
—— マチコに参加したことで、繋がっていったのですね。
佐伯:ほんとうに。土居さんや武田さんとか、繋がりがあったからこそ来てもらえたので。マチコで関わった人たちに助けてもらって1ヶ月できた感じです。
一人でやっていたら、何もできなかったです。石村さんに机や什器も全部貸してもらったので、恵まれていたなと思っています。
—— 石村さんは他にも何かお手伝いをされたんですか?
石村:それが、していないんですよ。私も忙しい時期だったので申し訳なかったなぁと。それに、まだお店を出していない段階から、いろいろと言うのも憚られて。佐伯さんから聞かれたらアドバイスをしようと思っていました。

石村:でも、正直とても不安で。出店を勧めたものの、集客できるかなとか、売り上げがいかなかったらどうしようとか、いろいろと思っていました。内装もシンプルなので、何かできないかなと考えているうちに1ヶ月が終わってしまって。
お客さんから「あのお店、何をやっているのかわからなかったわ」と話を聞くこともあり、私なりに最後の最後まで反省することが多かったです。
佐伯:そんなことないですよ!インスタでオープン前から告知していただき、オープン後も何度も告知していただけたので、お客さんがだんだんと増えていきました。
—— 実際にお店を出されて、いかがでしたか?
佐伯:1ヶ月しか出店していないので「このお店はなんですか?」って聞かれることもありました。でも、お店の前を小学生が通るので「また来てね」と声をかけていると、向こうからも声をかけてくれるようになったり、友達を連れて来てくれたりもしましたし。
あと、初対面のマダムが、料理について1時間近く話をしてくれて。話を聞いてくれたから差し入れしてあげる、と言って本当に差し入れをしてくれてびっくりしました。石村さんのお店の常連さんが何回も来ていただけたりも。 そういう繋がりがあって、商店街ってなんか面白いなって。もっと商店街に関わっていきたいと改めて思いました。

商店街ともっと繋がりを持ち続けるために
—— これからの夢や、挑戦してみたいことはありますか?
佐伯:現在商店街オープンに参加しているので、今後も商店街に関わっていけたらなと思っています。「商店街に来たら何か面白いことやっているよね」と、言われるような場を作っていけたらなと思っています。
石村:私は、佐伯さんに貸したスペースを、また人に貸そうかなと。お店が増えることで、少しでも商店街が盛り上がっていけばいいなと思っています。とりあえず、ワークショップやハンドメイドの作家さんなど何人かに月極で貸して、お客さんとやり取りできるのが理想です。なので、また募集をしようかなと思っています。
マチコ3期生のお二人の活躍、いかがでしたか?
実は、この取材編集に関わったのは同じくマチコ3期生の私、木村です。地域活性化を目指した広告会社を運営しています。
今回の取材を通して、マチコで出会った仲間達が、講座が終わった後も繋がっていて、それぞれの思いで活動をしていたのだと改めて実感し、とても刺激を受けました。

インタビューの合間にも、新たなまちづくりへの話が次々と生まれてくる2人。みなさんから商店街への熱い思いあふれる話をたくさん伺えました。メンバー同士の繋がりを大切に、さらなる新しい挑戦を目指して。今後もマチコ3期生の活躍が楽しみです。
石村さん、佐伯さん、貴重なお時間を頂戴し、ありがとうございました!
Photo:Sugiura Hiroki (foto)
・∞end -エイトエンド- <Instagram>